第10回 特別企画展 「神島」 開幕!!


イベント詳細


南方熊楠顕彰館では、南方熊楠という、類いまれな郷土の偉人の人間像や業績、そして、後半生を過ごした田辺やその文化背景、人物交流等を、当館所蔵資料とともにご紹介し、熊楠に対する興味・関心を高め、理解を深める契機として、特別企画の展示を年間2回開催しています。
今回の第10回特別企画展は、田辺湾に浮かぶ『神島』をとりあげました。神島は国の天然記念物の指定を受けていますが、熊楠が尽力して指定を受けたことなどはあまり知られていません。その蔭に地元の人々をはじめ、様々な人の協力があったこともです。
また、神島は天然記念物であるがゆえ、上陸禁止になっており、その真実の姿を知る人はほとんどいません。
現在の神島は、熊楠の当時の姿なのでしょうか。
残念ながら、そうではありません。熊楠が亡くなって今年でちょうど70年。神島は刻一刻とその姿を変えています。それはなぜなのでしょうか。

ご観覧の皆様には、展示を通して、南方熊楠、熊楠が愛し、守ろうとした神島を知っていただき、その上で神島のみならず、自然を守るにはどうしていくべきかを考えるきっかけになれば幸いに存じます。

平成23年3月
南方熊楠顕彰館
館長 中瀬 喜陽

開催期間
平成23年3月19日(土)~5月5日(木)
会場
南方熊楠顕彰館1F 学習室
■展示コーナー
●はじめに
●神島の自然・文化
●「熊楠の森-神島」から
●熊楠にとっての神島
●その後の神島
●おわりに ~受け継がれた熊楠の思い~
■展示資料
・メモ(神島植物の書上)
・神島植物の書上(熊楠書き入れあり)
・神島植物の書上追記(熊楠の書き入れあり)
※熊楠筆神島樹木直径階別本数調査表
・日記 (明治35年)
・富田村付近植物採集行・記念写真(撮影は池田写真館の庭)
※今井三子来訪記念(今井三子、榎本幸治、熊楠、金崎元年、金崎宇吉)写真
・日記 (昭和 6年)
※南方熊楠、スウィングルと神島調査風景・写真(熊楠の書入れあり)
・行幸記念うちわ・介(貝)品図うちわ   ※5種6点
※進講時の御下賜果子箱
※御前講演後御下賜菓子包用風呂敷(宮内庁)
・小畦四郎宛「本邦産粘菌諸属標本献上表啓」・封書(益田勝実氏寄贈)
・神島樹木分布図
・文部大臣松田源治宛「神島史跡指定申請書」
※毛利清雅・封書
・日本及日本人
・野冊
・胴乱(口1、灰色)
・胴乱(口3、灰色)
※神島の浜辺と舟・写真
・神島全景(3)・写真
※神島の木(3)・写真
・神島空より全景・写真
※神島近景・写真
※神島建立石碑(表面)自筆草稿
※キノクニスゲ carex matsumurae Franch.(カヤツリグサ科)標本
※ハカマカズラ(ワンジュ彎珠)の実
※ハカマカズラ Bauhinia japonica Maxim標本
※タブノキ Persea thunbergil (Sieb ,et Zucc.)Kostermans標本
※ハカマカズラの実の数珠  個人蔵
※神島ジオラマ(日高高校山岳部・生物部製作)

計37点(うち16点田辺初公開)
※:田辺初公開資料
■担当
玉井済夫
中瀬喜陽
岩崎仁
岸本昌也
田村義也
土永知子
土永浩史
浜岸宏一
安田忠典
■協力
岩本知孝
小岡昭雄
後藤みち子
中路博晴
中嶋徳蔵
広畑一男
福田修武
宮本晋一
和歌山県立日高高等学校山岳部・生物部
独立行政法人 国立科学博物館
株式会社 紀伊民報
社団法人 農山漁村文化協会
※この展示には、サントリー文化財団2010年度「人文科学、社会科学に関する研究助成」の成果を含んでいます。