第16回月例展(終了)


イベント詳細


テーマは 熊楠とゆかりの地 6 「闘雞神社の森」

南方熊楠顕彰館では、毎月テーマを決め、月例展を行っています。
今回は、熊楠とゆかりの地シリーズの第6回目として『闘雞神社の森』をテーマに展示を行っています。
南方熊楠は、闘雞神社の森(クラガリ山)について、書簡の中で ”小生、熊野植物精査西牟婁郡の分の基点は、この闘雞神社の神林にて、一坪ごとに奇異貴重の植物があるなり” と述べ、その神林の貴重さとその保護について訴えています。
熊楠と闘雞神社の森について、解説パネルや、熊楠の日記や書簡等をパネルにより展示しています。

展示の紹介
本殿裏の仮庵山(クラガリ山)
大正4年6月15日の牟婁新報の『菌学に関する南方先生の書簡』に、”小生、熊野植物精査西牟婁郡の分の基点は、実にこの闘雞社の神林にて、言わば一坪ごとに奇異貴重の植物あるなり。”と闘雞神社の森について述べている。

ツルコウジの標本
明治44年の柳田国男宛書簡の中で、熊楠は、三、四年まで、深山産のツルコウジが、海岸低丘の闘雞神社に繁茂していたが濫伐によりほとんど全滅したことについて述べている。
この標本は南方邸に遺されていた那智で採集した標本の束に含まれていたもので,新聞紙にツルコウジと朱書されています。

熊楠の日記(大正5年7月5日)
この日の日記には、闘雞神社で行った講演について次のように記している。
「午後二時頃毛利氏来る。共に闘雞神社にゆく。予、かたびら、袴着用、妻を娶りしとき以来始てなり。祭礼準備のため部長十一人、宮より総代等集まれる所にて、菌の標本等示し、宮の山林のこと及び台場公園のこと話し………」

南方熊楠菌類図譜のF.588
1905(明治38)年10月30日、田辺にて闘雞社の林の湿った斜面に発生し、熊楠によって採集された。オウギタケ。熊楠菌類図譜の特徴の一つは、1種類のきのこを、大小、老若を取り混ぜ、いろいろな角度から描いていることである。可能な限り、きのこの全体像を示そうとする熊楠の科学的姿勢が窺われる。
(「南方熊楠菌類図譜」新潮社 より)

闘雞神社の社殿
闘雞神社
通称「権現さん」と呼ばれ、御祭神の中には、熊野三山(熊野本宮大社、熊野那智大社、熊野速玉大社)も勧請されています。熊野権現の三山御参詣に替えるという三山の別宮的存在で熊野信仰の一翼を負っていました。熊野本宮大社が川の増水で流失する以前の社殿の形を再現しています。また、闘雞神社は勝負の神様としても御利益があるともいわれています。
(田辺観光協会ホームページ(http://www.tanabe-kanko.jp/)より)

担当
浜岸宏一

開催期間 2008年1月26日(土)~2月10日(日)
開催時間 午前10:00~午後5:00(入館は午後4:30迄)
休館日(月曜日、第2,4火曜日)はご覧いただけません。
展示説明会 月例展開催中の次の日程に展示説明会を開催します。
日 程 : 2月2日(土)、2月10日(日)
時 間 : 午後2時~
その他 : 参加費無料、事前申し込み不要