第8回 特別企画展開催


イベント詳細


南方熊楠と牟婁新報

『牟婁新報』は、1900(明治33)年4月、和歌山県西牟婁郡田辺町(現在の田辺市)で創刊されました。社長・主筆は毛利柴庵。一地方新聞でありながら、多数の初期社会主義者が関わったメディアとして知られています。
しかしその一方、牟婁新報は東西牟婁郡の地域振興や、環境保全・自然保護の問題にいちはやく取り組んだメディアでもありました。1906(明治39)年からの「神社合祀問題」を宗教の自由の問題として、そして環境破壊の問題としてとりあげましたが、このとき柴庵とともに健筆を揮ったのが南方熊楠でした。
本展示では牟婁新報と熊楠の関係を中心に、社主・主筆であった毛利柴庵、荒畑寒村ら牟婁新報に関わった人々を紹介します。また、熊楠が新聞各紙をどのように活用していたかを、顕彰館に残る熊楠の新聞切り抜きをもとに検証するとともに、『南方熊楠全集』にも掲載されていない熊楠の投稿や、当時の和歌山県・田辺市で発行されていた新聞とそれらの各新聞への熊楠の寄稿を紹介します。さらに、展示会場には不二出版の『牟婁新報復刻版』を配架、手に取ってご覧いただくとともに、熊楠が保存していた新聞切り抜きの画像をパソコンでご覧いただけるようになっています。
開催期間
平成22年3月20日(土)~5月5日(水)
場所
南方熊楠顕彰館1F 学習室
■展示コーナー
牟婁新報とは / 田村義也
毛利清雅(柴庵)
毛利清雅(柴庵) / 曽我部大剛
南方熊楠と毛利清雅(柴庵) / 浜岸宏一
牟婁新報に関わった人々 / 岸本昌也
牟婁新報と南方熊楠
寄稿以前 / 田村義也
牟婁新報による神 社合祀反対運動 / 安田忠典
寄稿・執筆活動 / 田村義也
地域の新聞と熊楠
和歌山の新聞の始まり / 千本英史
熊楠と和歌山の地方紙 / 千本英史
今日の和歌山の地方紙 / 千本英史
牟婁新報データ閲覧 / 岩崎仁
■展示資料
・毛利柴庵筆・俳句
・南方熊楠・名刺
・毛利清雅・名刺
・毛利清雅宛・封書(投函されなかったもの)
・毛利著作
『獄中の修養』、『紀州田辺湯崎温泉案内』、『紀州田辺名勝旧蹟附近温泉案内』、『皇室と紀伊』
・南方熊楠宛成石勘三郎書簡
・南方熊楠日記
・毛利清雅・封書、葉書
・柳田國男・封書
・柳田国男所蔵切抜帳
・『牟婁新報』切抜巻物(雑賀貞次郎)
・新聞原紙
『日刊不二』、『日本』、『海南時報』、、『牟婁新報』、『紀伊新報』、『田辺新報』、『牟婁報知』、『熊野太陽』、『紀伊半嶋日々』
・新聞用の活字
■説明会・講演会・シンポジウム(無料、事前申込不要)
ギャラリートーク(展示説明会)
・3月28日(日)
田村 義也 南方熊楠顕彰会 学術部 副部長

・4月10日(土)
浜岸 宏一 南方熊楠顕彰会 学術部 部長

・4月29日(木)
中瀬 喜陽 南方熊楠顕彰館 館長

時間:各回とも午後2:00から
場所:展示会場内(1F学習室)

※シンポジウムは現在調整中です。
■協力
「南方熊楠の環境思想・環境保護運動と彼の植物・生態学研究との関係性の検証(サントリー文化財団研究助成 代表者:京都工芸繊維大学 岩崎仁)」